外国人雇用でミャンマー人に特化した採用戦略で企業の成長を支援する特定技能外国人登録支援機関、ネクストドアです。

特定技能の制度が始まって以来、日本での外国人労働者は増え続け、コロナ禍で一時的に減少したものの、昨今はさらに勢いを増して増加しています。

しかし、特定技能1号の資格で在留できるのは最大5年間。

寂しいですが、退職して母国へ帰る方も多く居ます。

そんな特定技能外国人が会社を辞め、帰国する際、退職金や失業保険とは異なる「脱退一時金」というものがあるのをご存知でしょうか?

これは通常、日本人には無い、支払った年金保険料の一部を払い戻しする制度。

これは外国人労働者にとって大変重要なことなので、受け入れ企業様にもぜひ、知っておいて頂きたい内容です。

今回は脱退一時金について解説します。

脱退一時金とはどのようなもの?

外国人労働者であっても、社会保険の加入条件を満たす就労の場合は、強制的に加入が必要です。

しかし、老齢年金をもらうためには、10年以上、年金保険料を納付している必要があります。

ただ、冒頭でも述べた通り、特定技能1号の資格では最大5年までしか在留できません

そうなると、老齢年金をもらえずに帰国することになり、それまで支払った保険料が掛け捨てになってしまいます。

その救済措置として、支払った年金保険料の一部を払い戻しましょうという制度が、脱退一時金です。

脱退一時金の支給要件

前述のように、脱退一時金は、日本で働いていた(年金保険料を払っていた)外国人労働者が出国し、日本に住所を持たなくなった際(その後再来日の可能性がわからない場合)の保険料の掛け捨てを防ぐ制度です。

そのため、支給条件には、日本国籍を有していないこと日本に住所がないことがあります。

その他の条件は、

・年金に加入し、保険料を納付した期間が6ヶ月以上10年未満であること(10年以上の場合は通常の年金が支給されるため)

・障害年金の対象者ではなく、過去にも受け取ったことがないこと

・社会保険の資格を喪失してから2年未満であること

があります。

尚、最後の条件については、社会保険の資格を喪失した日にはまだ日本国内に住所を有していることもありますよね。

その場合は、社会保険の資格喪失後、初めて日本国内に住所を有しなくなった日から2年未満であることが条件となります。

脱退一時金は企業にとっても重要?

脱退一時金のことを企業が知るべき理由は主に2つあります。

1つは、外国人労働者自身がこの制度を知らない、あるいはよく理解していない場合も少なくないからです。

この制度では前述のとおり、基本的に日本国籍がない、日本に住所がないことが条件なので、受給のための手続きは帰国後に行わなければいけません

それも、企業ではなく、本人が支給請求を行うことになります。

しかし、帰国後に日本の制度の手続きをするとなると、身近に相談相手が居ない場合が多く、困ることもあるでしょう。

そうならないためにも、退職し出国してしまう前に、受け入れ企業から手続き方法や期限を伝えてあげることが重要です。

もう1つの理由は、年金保険料が掛け捨てになることを懸念し、社会保険への加入を拒否する外国人労働者へきちんと説明するためです。

よく社会保険への加入を拒む外国人労働者がいるという話を耳にしますが、その理由の多くは、将来、年金の支給条件に満たない10年未満で帰国する可能性がある=保険料が掛け捨てになるかもしれないのに、お給料が目減りする社会保険には入りたくないというものです。

ただ、日本人同様、外国人労働者も、その労働時間等の条件を満たしている場合は、社会保険への加入は必須

企業が脱退一時金のことを説明し、理解してもらうことで、加入に納得してもらうことが大切です。

脱退一時金の請求方法

 手続きは基本的には外国人労働者本人が行いますが、その本人から委託を受けた代理人でも可能です。

必要な書類は、

・脱退一時金請求書

<添付書類>

・パスポート(旅券)の写し (氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格の確認できるページ)

・日本国内に住所を有しないことが確認できる書類 (住民票の除票の写しやパスポートの出国日が確認できるページの写し等)

・受取先金融機関名、支店名、支店の所在地、口座番号、請求者本人の口座名義であることを確認できる書類(金融機関が発行した証明書等)

・基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を確認することができる書類

※代理人が請求手続きを行う場合は委任状も必要

以上の5点または6点です。

提出先は、日本年金機構本部または各共済組合などです。

その企業で加入していた制度および期間により提出先が異なります。

日本滞在中の年金の加入期間が、国民年金または厚生年金保険の期間のみである場合の脱退一時金は、日本年金機構あてに請求手続きを行ってください。

提出方法は、郵送または電子申請 が一般的。

旅行など就労以外の目的で来日した場合には、年金事務所または街の年金相談センターの窓口で提出することも可能です。

ここまでの手続きを、社会保険の資格を喪失してから(日本を出国してから)2年以内にしなければいけません。

まとめ

特定技能外国人をはじめとする外国人労働者が会社を辞め、帰国すると、脱退一時金を請求することができます。

ただし、期限があったり、手続きは帰国後に本人がしないといけなかったり、外国人にとっては少々ハードルが高いかもしれません。

また、制度自体を知らない可能性もあります。

知らない、あるいは理解していないことで、社会保険への加入を拒否したり、知らないまま脱退一時金をもらいそこねたりするのは問題ですよね。

この制度については受け入れ企業側もしっかりと理解し、外国人労働者に説明できるようにしておくべきでしょう。

退職後も最後までフォローしてあげられる企業には、また次も、きっと良い外国人労働者との出会いがあるはずです。

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