外国人雇用でミャンマー人に特化した採用戦略で企業の成長を支援する特定技能外国人登録支援機関、ネクストドアです。

2027年、日本の外国人材受け入れ制度に大きな変革が訪れます。

現行の技能実習制度が廃止され、新たに「育成就労」制度が導入される予定です。

これにより、外国人労働者がより実質的なスキルを身につけ、長期的に日本で働くことが可能になるだけでなく、転職の自由や生活の安定も確保される見込み。

本記事では、この「育成就労」制度が、実習生や受け入れ企業にどのような影響をもたらすのか、詳しく解説していきます。

既に実習生を受け入れている企業様も、今すぐではないけど今後受け入れを検討していく企業様も、ぜひご一読ください。

技能実習制度の現状と課題

現在の日本の技能実習制度は、発展途上国の人材が日本の技術や知識を学び、母国の発展に貢献することを目的として作られました。

この制度は約30年にわたり続いており、毎年数万人規模の外国人実習生が日本に来ています。

そして、その多くが建設や農業、介護など、労働力が不足している業種に従事し、日本の人手不足の救いとなっている面もあります。

ただし一方で、制度の問題点も浮き彫りになっています。

前述のような本来の制度の目的とは異なり、実態としては労働力不足を補う手段として利用されることも少なくなく、実習生が単なる低賃金労働者として扱われるケースが指摘されています。

労働条件の悪さや人権侵害の事例が報告されることもあり、失踪者が出ることも。

これらの問題に対処するため、政府や関係機関は制度の見直しを進めており、より実質的な技能移転と持続的な人材育成を目指すための新制度「育成就労」が、2027年に導入される予定となっています。

新制度「育成就労」の概要

「育成就労」は、2027年に施行される予定の、外国人材受け入れの新しい制度です。

この制度は、現行の技能実習制度とは異なり、単なる労働力提供にとどまらず、外国人労働者の長期的な成長と定着を目的としています。

これまでの技能実習制度でも、特定技能資格への移行により、在留期間、就労期間を延ばすことはできましたが、最長5年の在留期間を終えた実習生の多くは母国へ帰っておりました。

働きながら特定技能の試験勉強をするのもなかなかハードルが高かったのです。

一方で、「育成就労」は、在留期間が3年までとされていますが、将来的に「特定技能1号」のレベルまで育成することを目的とし、受け入れ企業が実習生に対し、一定の教育・訓練プログラムを提供し、専門的なスキルや技術を習得させることが求められます。

そのことで、働きながら「特定技能1号」レベルの技能を習得できるので、資格の移行が目指しやすくなります。

特定技能1号資格が取得できれば、在留期間は5年間延長。

また、その後は「特定技能2号」を目指す道もあり、日本で働き続ける選択肢が拡がります。

つまり、外国人労働者が日本の企業で技術や知識を身につけ、そのまま長期間働き続けることが可能になる制度なのです。

このように「育成就労」では、外国人材を一時的な労働力ではなく、企業の一員として長期的に育成し、互いに発展できる関係を構築することが期待されています。

育成就労制度がもたらす実習生へのメリット

育成就労制度は、外国人労働者に対して多くのメリットがあります。

まず、技能実習制度に比べて実質的なスキルアップやキャリアパスの構築がより強調される点。

従来の技能実習制度では、単純労働に従事する時間が長く、十分な技術や知識を身につける機会が限られていましたが、新制度では企業が提供する教育や訓練の質が高まり、外国人労働者が日本で培った経験をキャリアに生かしやすくなります。

また、新制度では滞在期間の延長が可能となり、実習生がより長期的に安定した生活を築けるようになります。

さらに、一定の条件を満たすことで家族帯同が許可される可能性もあり、家族と一緒に日本で生活することが現実的に。

これにより、実習生の生活の質が向上し、日本で働き続けるモチベーションも高まると期待されています。

さらに重要なポイントとして、育成就労制度では転職要件が緩和されます。

従来の技能実習制度では、実習生が一度配属された企業から自己都合で転職することは非常に難しく、事実上、転職の自由が制限されていました。

しかし、新制度では条件が緩和され、実習生は、労働環境が悪化した場合や、スキルアップのために別の職場を選ぶことができ、労働条件の改善やキャリア形成の自由度が高まるのです。

こうして、より良い労働環境を自ら選ぶことで、日本でのキャリアを長期的に築けるチャンスが広がるでしょう。

受け入れ企業にとっての新制度の利点と準備

企業にとって、育成就労制度は単なる労働力確保の手段を超え、長期的な人材育成のチャンスを提供します。

新制度の導入により、企業は外国人労働者を短期間の戦力ではなく、継続的に教育・訓練を施し、企業の発展に寄与する人材として育てることが可能に。

これにより、企業における人材不足の解消だけでなく、業務の効率化や技術の継承も進めやすくなります。

また、育成就労制度は、従業員の定着率向上にもつながる可能性が。

技能実習制度では、実習期間が終われば多くの労働者が帰国してしまいましたが、新制度では長期間雇用への道が拓けているため、企業が時間とリソースを費やして育成した人材をより長く活用するチャンスが生まれるのです。

これにより、労働力の安定供給や人材のスキルアップが期待できます。

ただし、企業には新制度に対応するための準備が求められます。

具体的には、外国人労働者に対する適切な教育プログラムの構築や、多文化共生に向けた社内体制の整備が必要です。

また、労働環境や待遇の向上も欠かせません

こうした準備を通じて、企業は競争力を高め、国際的な人材の活用を進めることができるでしょう。

まとめ

2027年に開始される「育成就労」制度は、従来の技能実習制度の課題を改善し、外国人労働者のスキル向上やキャリア形成を重視した新たな受け入れ制度です。

資格の移行による滞在期間延長の可能性が広がる他、転職要件の緩和により、実習生はより良い労働環境を選ぶことができるようになります。

企業にとっても、長期的な人材育成の機会を提供し、多文化共生に向けた体制づくりが求められます。

この新制度は、企業と外国人労働者双方にとって大きなメリットをもたらすでしょう。

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西本由利絵
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