![](https://www.hr-nextdoor.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/11/image-min-4-1-1024x576.jpg)
外国人雇用でミャンマー人に特化した採用戦略で企業の成長を支援する特定技能外国人登録支援機関、ネクストドアです。
日本では近年、外国人労働者の増加に伴い、多文化共生への取り組みが求められています。
その中で注目されているのが「やさしい日本語」です。
これは、外国人が理解しやすいように日本語を簡潔で分かりやすく伝える方法で、災害時の情報提供をきっかけに生まれました。
現在では、観光地や公共施設だけでなく、職場などでも活用されています。
日本語は敬語や専門用語、熟語など、外国人にとって難しい要素が多いため、「やさしい日本語」を使うことで、コミュニケーションの壁を下げることができます。
本記事では、「やさしい日本語」の基本的な考え方、具体的な言い換え例、職場での活用場面、そして企業が取り組むべき対応策について解説します。
外国人労働者を雇用されている企業様、外国人のお客様と関わる機会のある企業様も、ぜひ一度ご覧ください。
「やさしい日本語」とは?
「やさしい日本語」とは、外国人が理解しやすいように、日本語を簡単にし、表現を工夫した言葉のことです。
もともとは1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、災害時の情報を外国人にも迅速かつ正確に伝える手段として考案されました。
当時、英語や母国語が理解できない外国人が、必要な情報を得られず困るケースが多かったため、より多くの人に届くような日本語が求められたのです。
現在では「やさしい日本語」は、観光地や公共施設だけでなく、職場や教育現場でも活用されています。
特徴としては、敬語や専門用語を避ける、簡単な語彙を選ぶ、短い文章で伝える、といった方法が挙げられます。
例えば、「ご確認ください」を「チェックしてください」、「不在の場合は連絡をお願いします」を「いないときは電話してください」といった具合です。
「やさしい日本語」は単に外国人に優しいだけでなく、高齢者や日本語学習者、さらには普段日本語を使う人同士のコミュニケーションを円滑にするツールとしても注目されています。
多文化共生社会を目指すうえで、「やさしい日本語」の普及は欠かせない取り組みの一つといえるでしょう。
外国人にとって難しい日本語と「やさしい日本語」への言い換え例
外国人が日本語を学ぶ際に特に難しいと感じるのは、敬語、熟語、専門用語、あいまいな表現などです。
例えば、「お世話になっております」のようなビジネス表現は、日本人には馴染みのある言い回しですが、外国人にとっては理解が難しい場合があります。
また、「至急」「確認」「了承」といった言葉も、日常生活で頻繁に使われるものの、漢字が難しいため避けた方がよい場合があります。
そこで、「やさしい日本語」への言い換え例をいくつか紹介します。
できるだけ熟語を使わず簡単な言葉に置き換える
- 一般的な日本語:至急対応してください。
やさしい日本語:すぐにやってください。
- 一般的な日本語:危険なので海岸付近にいる人は避難してください。
やさしい日本語:危ないので海から逃げてください。
- 一般的な日本語:提出期限は今週末までです。
やさしい日本語:●月●日までに完成させてください。
直接的で明確な言い方にする
例文:対応いたしかねます
やさしい日本語:できません
例文:帰社時は手を洗いましょう。
やさしい日本語:会社に帰ってきたら手を洗ってください。
例文:こちらの書類以外は必要ございません。
やさしい日本語:この書類だけ持って来てください。
通常の日本語: 土足禁止。
やさしい日本語:靴を脱いでください。
この他にも、外来語を避けたり、尊敬語や方言を使わない、略語や擬音語を使わない、伝えたいことは1文につき1つまでにするといったことを意識すれば、より伝わりやすくなります。
大切なのは、相手にとって分かりやすい言葉を選ぶことです。
「日本語が完璧でなくても、伝える努力をしている」という姿勢が、信頼関係を築くきっかけになります。
職場で「やさしい日本語」が必要な場面とは?
外国人労働者がいる職場では、日常的な業務の中で「やさしい日本語」が必要になる場面が多々あります。
特に仕事の指示、安全確認、緊急時の対応などで重要な役割を果たします。
たとえば、作業手順を説明する際、複雑な言い回しを避け、簡潔な言葉で話すことが必要です。
「この部品を右側に取り付けます」ではなく、「このパーツを右につけます」と言い換えるだけで、相手の理解度が大きく変わります。
また、安全確認の際には、「危ないので注意してください」よりも、「ここ、あぶないです」と短く言ったほうが伝わりやすくなります。
さらに、緊急時の避難誘導も「やさしい日本語」の力が発揮される場面です。
「避難してください」ではなく、「外に出てください」と直接的に言うことで、相手がすぐに行動しやすくなります。
こうしたシンプルな表現は、誤解や混乱を減らすだけでなく、従業員同士の信頼関係を深める効果もあります。
職場での「やさしい日本語」の活用は、単に外国人従業員のためだけでなく、全従業員にとって安心・安全な職場環境を作るための有効な手段といえるでしょう。
外国人労働者の受け入れ企業ができること・やるべきこと
外国人労働者を受け入れる企業にとって、「やさしい日本語」を活用したコミュニケーション環境の整備は欠かせません。
具体的には以下の取り組みが効果的です。
まず、従業員に対して「やさしい日本語」の使い方を学ぶ研修を実施することが挙げられます。
例えば、外国人と話す際の注意点や、専門用語の簡単な言い換え例などを共有することで、職場全体でのコミュニケーション能力が向上します。
また、業務マニュアルや掲示物を「やさしい日本語」で作成するのも有効です。
イラストやピクトグラムを取り入れることで、さらに分かりやすくなるでしょう。
さらに、定期的な面談を行い、外国人従業員から直接意見を聞くことも重要です。
どのような場面で困っているかを把握し、それに応じた対策を講じることで、働きやすい環境を提供できます。
こうした取り組みを行うことで、外国人労働者が安心して働ける職場が実現できるのです。
それにより、労働者の定着率が向上し、企業全体の生産性やチームワークの向上につながるでしょう。
「やさしい日本語」の普及は、外国人労働者の支援だけでなく、企業にとっても大きなメリットをもたらします。
まとめ
「やさしい日本語」とは、外国人が理解しやすいように日本語を簡潔で分かりやすく表現する方法です。
災害時の情報提供をきっかけに広まり、現在では観光地や職場など幅広い場面で活用されています。
ポイントは、敬語や専門用語を避け、短く簡単に伝えること。
職場では業務指示や安全確認、緊急時対応などで重要な役割を果たし、誤解を防ぎつつスムーズなコミュニケーションを促します。
外国人労働者を受け入れる企業は、従業員への研修やマニュアルの工夫、意見を聞く場の設置などにより、彼らが働きやすい環境を整えることが求められます。
「やさしい日本語」は外国人だけでなく、職場全体の安心と信頼を支える鍵となる取り組みです。
登録支援機関である当社は、特定技能外国人の雇用はもちろん、外国人労働者全般に関するあらゆる知識や経験を持っています。
採用戦略のご相談や採用支援だけでなく、採用後の職場環境の整備や言語の壁への対策、支援実施のサポートも行います。
まずは「外国人採用戦略診断セッション」を受けてみて下さい。
60分無料のセッションで、貴社の状況をヒアリング。
貴社に合った外国人採用・育成戦略、支援計画やフォロー体制をご提案いたします。
疑問や不安のご相談だけでも、どうぞお気軽にお申し込みください。
投稿者プロフィール
![西本由利絵](https://www.hr-nextdoor.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/08/nishi-150x150.jpg)